ミッドセンチュリー家具 電話台

1960年代に流行したプライウッド（成型積層合板）による電話台です。プライウッドとは、木材を薄くスライスした単板を複数枚重ねて接着し、熱と圧力を加えて成型した合板のことです。いわゆる広義のミッドセンチュリー家具といってよいかと思います。 ミッドセンチュリーとは、1940～1960年代のアメリカで流行したインテリアや建築物のデザインスタイルです。直訳すると「世紀の中間」を意味し、「ミッドセンチュリーモダン」とも呼ばれます。無垢の木材に比べて、強靭で、可変性に富み、そのうえ安価なため、家具や建材や什器にさかんに使用されました。 本出品は、上段に卓上電話を置き、下段に電話帳を積んだ電話台です。1966年創立の私立大学の研究室で長らく使われてきましたが、キャンパス移転にともない放出されました。 このような電話台はどこの家庭でも普通にあったものです。しかし、携帯端末の普及とともに、卓上電話は急速に姿を消し、分厚い電話帳もすでに出版されていません。当然、このような電話台も過去のものとなり、いまや「サザエさん」か「ちびまる子ちゃん」のアニメの中でしか見られなくなりました。 昭和の残り香を嗅ぐことのできる貴重なブロカントです。